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5.猪口暮露食事

――"This is our home - our roots go deep"
(『Home』(『One Hour by the Concrete Lake』 Pain of Salvation、1998))


「「頂きます。」」
 司令官と響が手を合わせる。
 炬燵の上には湯気を立てるボルシチにサラダとカッテージチーズ、それからライ麦パン、そしてヴァレニキが並ぶ。
 せわしなく働く響を見かねて、司令官は彼女に丸一日間の休暇を与えた。
 するとどうだろうか、畳に炬燵の執務室は朝昼晩とロシア料理が並ぶことになったのであった。
「ごめんな響、どうせならテーブルで食事ができると良かったんだが……。」
 家具職人は誰かのせいで今ストックがいないのである。それを司令官は謝る。
「構わないさ。それよりも、ボルシチをどうぞ。」
「ありがとう。」
 別に意に介さないように淡々と響はボルシチを鍋から取り分けて司令官に渡す。
 皿を受け取りつつ視線を移すと、司令官は鍋のすぐ傍に置いてある小さな皿に気が付いた。
 中にはもちろんボルシチが入っている。そして、受け皿にはちぎって置かれたライ麦パン。
「……"明皇あるとき書を見給ふに、御机の上に小童あらはる"か。」
「?」
 今宵のご馳走をそれぞれ少しずつ取り分けた皿を見て、司令官は托鉢僧の妖怪を思い浮かべた。
 だが、その例えはどうやら響には分からなかったようだ。
 響は意味不明な古語に、ほぼ無表情のまま首を傾げた。

 響は顔の感情が乏しい。しかし内面ではそうでもない。
 今もまさにそうで、顔には出ていないが首を傾げる動作で脳内に大量の疑問符が噴出しているのが分かる。
 首を傾げて流れる白銀の髪やその綺麗な顔立ちと、まだ子供らしい内情のギャップ。
 普段は外見にそぐわない鋭い洞察力や仕事ぶりをするというのに、たまにこう抜けているところがある。
 そうした多面性が響の魅力だと司令官は思っている。
「いや、他者から食事を最低限でちょっとずつ貰う修行僧だ。」
「ああ。」
 家事をしてくれるわけではないけど、信者に功徳を授けてくれるんだ、と司令官は付け足す。
 そう、司令官は響がよそった少量の料理が、響自身の取り分ではないことを理解していた。
 さらにいえば、司令官に渡す分よりも先によそったことについても理解している。
「ドモヴォーイ……"家"の名の通り、住む人間を守護したり、災いを知らせたりする妖精、か。」
 そう言って司令官はやかんストーブの方を見る。
 本来ならば暖炉を見るべきだろうが、生憎この執務室に暖炉はない。
「司令官、見えるの?」
「まさか。」
 司令官の視線を察し、響はやや不安な声を上げた。
 それを笑いながら否定する。
「……そう、なら良かった。」
 そう言って、響は小さな皿をやかんストーブの方へ寄せた。
「しかし食前に取り分けると、生飯みたいだよなぁ。」
「大丈夫、私の料理はすぐには痛まない。」
「いや、魚じゃない。」
「……ウォッカ、飲む?」
「肴でもない。」
 ほら、これだ。
 先ほどは話をしながらとはいえ、視線を向けただけでストーブを暖炉に見立てていたことを見抜いた癖に、生飯から鯖を連想した。しかも、魚と肴も間違えてるし。
 この洞察力の落差の激しさを何としてくれようか。
 まあ、生飯は難しかったかもしれないが。

 障子の外は寒風で雲は細く棚引き、二十三夜の細い月の淡い光が海を照らしている。
 風はあるものの、比較的穏やかな夜である。
 そんな夜に、こうして暖かい食事と会話ができることを幸せに思う。
 カッテージチーズをパンにつけ、サラダを少量その上に乗せる。
 野菜の歯ごたえを感じ、パンを咀嚼し、チーズの酸味を味わう。
 一方の響はボルシチを啜っている。

「しかし、響は料理のバリエーションも豊富だよなぁ……。」
 豊富なのもあるが、明らかに料理の風土が違う。
 彼の国は国土が広い上に、歴史上拡大もしたため、かなり多様な文化を内包した。
 それゆえ、現在でもその多様性が残り続けていると聞く。
 その文化に倣うのも、艦としての記憶が発現しているのだろう。
「でも、食材の制限も結構あるんだよ?」
「えっと、大斎の間だっけか。」
「そう。」
「……ん、今の時期って既に入ってないか?」
「そうだね。」
「ちょっと待て、大丈夫なのか?」
 司令官は焦った。二十三夜の今日は金曜日。
 うろ覚えだが、水曜日と金曜日に最も厳しい節制が行われるのではなかったか。
 司令官はそう記憶していたからだ。
 しかも期間中であれば、チーズは御法度。そう、今自分はカッテージチーズを口に入れたばかりだ。
「私は正教会ではないから。」
「……あ、そう。」
 そうか、そうなのか。
 司令官は赦された気分になった。いや、実際は完全にアウトだと思うが。
 落ち着いて食事に戻る司令官。
 そう、彼の土地の料理が多様である一因は宗教にもある。
 改めてその文化の複雑さを、料理と共に噛み締める。
 敬意を持って味わうことで、料理の味がまた変わるというものである。

「しかしまあ、食は人間の根源だよなぁ。」
 司令官は考えを巡らせながら、その考えの一端を口に漏らす。
 その一端のみから考え全体を知るのは難しいが、響は大方のところを察したようである。
「動物としての根源でもあるね。」
「自ら動き、他者の命を喰らうことで生を保つ命、か。」
 改めて思えば業の深いものだ。
「生命活動を維持するためには、エネルギーが必要だからね。」
 植物なら自分で生み出すところだけど、というニュアンスを含んでいることを司令官は見逃さない。
 司令官も同じことを思ったからだ。
「だが、エネルギーを得るためだけだったら何万という植物を食材として試し、多種多様な動物を狩る必要があったのかと考えることもあるな。世界のほぼ全土、気候や生態系が全く異なる環境にまで人類が進出したからか。より効率の良いエネルギーの摂取を考えたのか……。」
「鹿とか、山の動物は道路を舐めることがあるって言うね。」
「ああ、塩分の摂取のために融雪剤の塩を使ってる例か。確かに、エネルギーだけでなく必要な栄養素を摂取しようとすると多様性は膨らむな。」
 しかし山の動物も学習能力が高い。道に塩があることを覚え、それを舐めに降りるか。
 それは生命の維持に必要なものを本能的に理解し、それを効率的に得られる場所を学習しているということだ。
「主なエネルギー源である穀物でも、麦や米、トウモロコシに芋、環境に合わせて様々な摂取源を確保したのも、それがその風土の中では効率が良いという長年の経験なんだろうなぁ。」
 そして栄養を効率よく摂取したり、毒を取り除いたりするための調理法が編み出され、そこに食文化ができる。
 大航海時代では食品の腐敗を防ぐ目的に合わせて嗜好品としてスパイスが重宝されたともいうが……
 そこまで来るとより美味しい食材、ということで美食や嗜好の色が濃くなる気がする。
 司令官は料理を食べながら食について思考する。
「そもそも、料理を美味しいと感じる味覚とは何か、ということも考慮しなければならないか。」
「エネルギーが多い方が美味しい。」
「いやまあうん。」
 司令官は以前何かの書物で読んだことがある文章を思い出した。
 味は変わらず、カロリーを抑えた食事と、通常の食事をマウスに与える実験を行った結果、最初は両者ともにそれなりに食べられたが、暫くするとマウスはみな、カロリーを抑えた食事には目もくれなくなったという。
 それは生命活動を維持するためのエネルギーを摂取する効率が悪いということをマウスが学習した結果であり、しかもどちらがカロリーの低い食事かを判別したということである。
 それから察するに、カロリーが高い食事の方が本能的には美味しいと感じるのではないかと。
 カロリーの低い食事は、生命活動を脅かすと本能には判断されるのだ。

 だが、例えば昆布のダシは美味しいが、カロリーがあるかといえばそうではないだろう。
 カロリーとは異なる旨みもあるのではないかと司令官は考えた。
 生命活動を維持するエネルギーの摂取だけでは収まらないものが、食にはあるのではないか。
「美食とかになると、カロリーだけでは説明できなくなってくる気がするな。」
「贅沢だね。」
「同感だ。」
 美味しい料理を求めて。食を娯楽にまで発展させた人間の文化は素晴らしく、そして贅沢だ。
 この娯楽は生の根幹に関わる根深いものだ。止められるかと聞かれれば、自信はない。
 知れば知るほど深みに嵌っていくその深淵の深さを、人間の業を司令官と響は考えた。
 二人はこれまで何度も、栄養やエネルギーの摂取が目的なら、簡素な注射でも良いのではないか、という話をしたことがある。
 食事などという面倒なプロセスを経なくても、栄養素を運ぶ血管にでも直接栄養源を注入した方が時間的コストは少なくて済む。
 そしてその度に思い至るのは。
「咀嚼を忘れると生気がなくなるんだよな。」
「そういう話もあるね。」
 点滴などで栄養を摂取したとしても、その人間は生気を失うという。
 口から食物を入れて消化した方が、効率が良いというデータを見た気がする。
 ただ、そうしたデータだけではなく、咀嚼したり舌で味を認識することで、その人間は生気を取り戻すという。
 食べるという行為そのものが生に直結するからこそ、本能的にその行為を欲するのではないか。
 ……人間というのは全くもって面倒な生物である。
 そしてその面倒な行為に莫大な時間を費やし、千変万化ともいえるあまりにも多様な発展を成し遂げた。
 食材だけでなく、それに纏わる作法や思想、それだけでも有り余るほどの情報が溢れ出すだろう。
 食に纏わる文化は恐ろしく深い。

 そして毎度二人は同じ場所に到達する。
「食は偉大なり。今ここに生きていることに感謝を。」
「ハラショー。」
 食事を楽しめなくなったとき、おそらくそれは人間……あるいは動物としての生が崩壊を始める瞬間なのではないだろうか。
 そうならないように、我々は食事を楽しみ、その意味について問い直し、意識をし続ける必要があるのではないか。
 豊かな食事が行える者ゆえの傲慢かもしれない。
 毎度の食事を好みや気分によって変えることができる程度にはそれこそ過剰ともいえるほどに食料に恵まれた環境。
 その中で、改めて食とは何かと思考実験し、ただの栄養源を摂取するための行為だのそのためならば点滴すれば良かろうなどという、食に纏わる人類の膨大な蓄積を否定する無味乾燥な調味料を目の前の料理に振りかけてただ咀嚼と嚥下を行う。
 その行為は冒涜的と言っても憚らないだろう。
 だが、それをそれと認識できないよりはマシなのではないだろうか、とも思う。
 そう思うからこそ、こうして食の意味を談義しながら食べる料理は、格別に美味しいのである。
 ただ、この無味乾燥な調味料を美味しいと感じる価値観を共有しているのは、司令官と響だけなのかもしれないが。

「ご馳走様でした。」
「お粗末様。」
 そうして二人は、天板の上に並んでいた料理を平らげた。
 むろん、ドモヴォーイへの分け前は残してある。

「さて、司令官。」
「どうした、響?」
「私はデザートの用意があるから……。」
「デザート?」
 司令官は響の不可思議な発言を訝しんだ。
 デザートならさっき、バナナが丸ごと入ったヴァレニキを食べたではないか。
 その上でまだデザートのお代わりがあるというのか。
 腹八分目、満腹まで食べるのは主義ではないのだが……響の料理なら付き合うべきだろう。
「じゃあ、ちょっと待っててくれるかな?」
 どうも、響の落ち着きがない。ますます怪しい。
「良いけど……新しい皿、出しておくか?」
「いや、お皿はいらない。全部片付けてしまって構わないよ。」
「そうか。」
 司令官が言うと、響は時間がかかるから、と言って執務室を出て行った。
 ……とっておきなのだろうか。自分の部屋にあるのか。
 様々な疑問が浮かぶが、それはともかく。
「……この食器や鍋、洗っておくか。」
 時間がかかるならそれくらいはやっておこう。
 話をしながら食事をしたため、かなり夜も更けてしまった。
 ここで自分がくつろいで、後片付けまで全てやらせるとなると、流石に申し訳ない。

「うーん、やはり哀愁漂う高速バスドラは良いものだ。」
 司令官は食器洗いを済ませて執務室に戻った。
 ボルシチの鍋はそのまま洗うのは気が引けたので、洗剤漬けにしておいた。
 汚れが浮いてから洗えば良いだろう。
 響が戻ってきたときのために置手紙はしておいたのだが、まだ戻っていないようだ。
 尤も、給湯室で食器を洗いながらプログレメタルを聞いていたら近くを通りかかったときに気付くだろうが。

「まだ戻っていないのか……まさか、料理を始めるところだったのか?」
 だとすると一気にまとめて洗いたかったところなのだが、と司令官はやや後悔した。
 とりあえず、冷えてしまった体を温めるために炬燵に潜る。
 やはり炬燵は至高だ。ここには思考も嗜好も必要なかろう。

 だが、手持無沙汰だとどうしても思考してしまう。司令官の癖だ。
 先のマウスの実験には続きがある。
 人間はダイエットなど、健康志向により敢えてカロリーオフの食品を取りたがるものだと。
 それはいわば本能に逆行する行為であり、その点では他の生物とは一線を画する。
 人間はカロリーだけではなく、情報も基準にして美味さを感じるのだ、と。
 健康に良い、と言えば進んで苦いものや酸っぱいもの――本来は毒を認識するために備わった味覚と考えられる――を積極的に摂取する。
 カロリーへの本能的な判断の他に、理性による判断をも行っているのだと。

 しかし、それは別の美味さも感じさせるのではないかと司令官は考える。
 店の評判や口コミ、いわば格である。
 例えば、昔の欧州の王室が愛食したという料理を再現した、というメニューを誰もが興味を持って一度食べてみたい、などと思うであろう。
 これもまた情報によって、本来の料理の味とは別の、情報という味付けや格付けがなされたものとも考えられる。
 情報によって備えられる付加的な属性について思いを馳せるのも悪くはない、司令官は思考を深めようとした。

「お待たせ。」
「おうっ?!」
 どこかの高速駆逐艦のような声を上げてしまった。不意打ちとは卑怯な。
「ちょっと時間がかかったみたいだけど、大丈夫か?」
「大丈夫。」
 執務室に入ってきた響を見て、司令官は違和感に気付いた。
 一見すると、響は何も持っていなかったからだ。
 両手は普通に下ろされている。ものを隠しているような仕草も見られない。
 しげしげと響の全身を眺めていると、その視線を振りほどくようにやや身動ぎしながら響はポケットから何かを取り出した。
「……はい、これ。デザート、焼いてきた。」
「……SDカード?」
 響が手渡したのは、SDカードだった。これを食べろと?
 一瞬戸惑ったが、次の瞬間司令官は合点が行ったようで、それを受け取った。
 なるほど、どうやら司令官自身も情報を愛して食する種族であったようだ。
 とはいえ、食するのは一切物質的な料理が存在しない、情報そのものだが。
「ありがとう、響。これは確かに甘い甘い、焼き立てのパイのようだ。」
「すぱすぃーば……。」
 そのお礼は何か。意味を分かってくれたことへの感謝か?
 一見ちぐはぐなやり取りをしながら、司令官は棚の中から小さな基板を取り出した。

――『Raspberry Pi』
 基板にはそう記されていた。
「私のパイは美味い。」
「期待してるよ。」
「……ケーキも入ってる。」
「そうかそうか、それは期待できるな。」
 Raspberry PiにcakePHPか、そう来たか。
 確かにこれは甘美なデザートのようだ。
 司令官はカードをスロットに差し込み、手際良く配線を行う。
 そして、電源のmicroUSBを挿して起動する。
 即座に画面に表示される無数の文字。
 順調に起動しているようだ。

「さて、ログインしたらどうすれば良い?」
「デスクトップ。」
「ふーん、じゃあls desktop/ …っと。」
「あっ……。」
 ちょっと意地悪をしてしまった。
「見慣れないファイルがあるな?」
「……だから、デスクトップ。」
「分かったよ。startX、っと。」
 ぷい、と横を向かれてしまったので素直にデスクトップ環境を立ち上げることにした。
 というか、デフォルトでは立ち上がらないようにしているのか。
 予め設定しておけばこういうことはされずにすんだのに……詰めが甘いな、とちょっと思う。

「……それ、起動して。」
「分かった。」
 おそらくはcakePHPのライブラリで動くのであろうアプリを起動させる。
 すると、音声が流れ始めた。

"……司令官の手、空っぽじゃないから……"

 響の声だ。
 なるほど、音声再生ライブラリを仕込んで動かしたのか。
 別に音声を再生させるだけならば特別なフレームワークはいらないはずだが、それをわざわざcakePHPを使って実現させたのは司令官の趣向をよく理解している証である。
 そして問題はその言葉の意味か。

「あ。」
 司令官は最近の記憶の中からそれと思しきものを思い出す。

――個人の嗜好や思考を決める上での一番の礎である生活の部分を取り去ったとき、個人に残るもの……私は何も残らないのではないか、と思っています。
"一掴みの空虚"を握りしめて、そこに在ると信じる痕跡を探すのだと。

 響と行った『The Big Machine』の応酬の後に霧島とやり取りした『Handful of Nothing』。
 思い当たるものはこれしかない。
 どうして響が霧島と二人きりで話したことの内容を把握しているのかは謎だが……。

「執務室の外で、聞いてた。」
「……さいですか。」
 仕事に取り掛かる、と言っておきながらずっと盗み聞きしていたのか。

「主観が消えても、客観的な痕跡が残っていれば、大丈夫。」
「ああ、そうですか……。」
 どうやら話の意図もきっちり把握しているようだし。抜け目ない上に相変わらずの洞察力と理解力。
 生飯はわざととぼけていたのではないだろうか?
 司令官の手の中に自分の手を入れる響。
 なるほど、確かに空っぽではないようだ。

「……はいはい、大変美味しゅうございました。」
「そう、なら良かった。」
 これは完全に響に負けたなぁ。
 司令官は敗北を認めた。凄まじく高度な戦術を目の当たりにした気分だ。
 このSDカードは、ずっととって置かないといけない。
 中の電子ゲートが劣化して揮発してしまうといけないから、イメージファイルをバックアップしておくか。
 そんな余計なことまで考え始めたところで、ふと疑問に思った。

「ところで、またなんでこんな唐突なことを?」
「チョコ……のつもり。」
「……あ。」
 そういえば、そんな季節だったなぁ、と司令官はぼやいた。
 お返しは……白か。
 PandaBoardでも買って、ホワイトスペースでメッセージ出力でもさせるかなぁ。
 響の言葉もやや難解ではあるが、それとは別の意味の難解言語を相手にしなければならないことに、司令官は頭を痛めた。